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松隈ケンタとパラシュート部隊が深掘り!今こそ「がん検診」へ行こう

一般的な健診とは違い、職場などで受診する機会の少ない「がん検診」。その大切さを広く伝えるため、福岡市ではさまざまな取り組みを行っています。受診啓発の一環で制作されたこちらの動画では、福岡出身の音楽プロデューサー・松隈ケンタさんがテーマソングを手がけました。

悪いところがあっても気づきにくいがんの怖さを、単語を構成する文字を並べ替えても正しく読めてしまう現象「タイポグリセミア」を活用して表現しています。

今回、松隈さん自身もがん検診を受診し、普段から親交のあるお笑いコンビ・パラシュート部隊とがんにまつわるトークを展開。福西会病院の医師・別府理智子先生にもご参加いただき、日頃抱いている不安や疑問について語り合いました。

定期的な受診が大切

事前に健康診断とがん検診を受診した松隈さん。
バンドマンらしいロックなスタイルから健診着に着替えて健診をスタート!

パラシュート部隊・矢野(以下 矢野):今回、松隈さんが健康診断とがん検診を受けられたということで、その結果も踏まえながら色々と話していきたいと思います。普段、こういった検査はよく受けていますか?

松隈:定期的に受けられてはいないですね。健診はなるべく2〜3年に1回は受けるようにしているんですけど、がん検診となるとなかなか…。父も祖父もがんで手術をしているので、いつかはやらなきゃって思いながらも、なんとなく後回しにしていたんですよね。今回啓発動画の楽曲を担当させていただいたこともあり、いいきっかけをもらえてよかったです。お二人は受けていますか?

パラシュート部隊・斉藤(以下 斉藤):僕らは一応事務所の規定で健診は毎年受けるようになっているんですけど、それでも最低限の項目しかないですね。詳しく調べたいならオプションをつけないといけない。

矢野:まず別府先生にお聞きしたいんですけど、そもそも健診って毎年受けないといけないんでしょうか?

別府:そうですね。腎臓や肝臓などは特に、数値が悪くても自覚症状のない場合が多いので、問題を早期に見つけるためにも、ぜひ毎年健診を受けていただきたいです。

矢野:健診でも結構色々なことがわかると思うんですけど、それでもがん検診は受けた方がいいですか?

別府:血液検査や尿検査だけではがんの発見は難しいので、がん検診こそ受けていただきたいです。早期に見つかれば、がんはほぼ治るんですよ。がんが早期のうちに見つかった場合の5年生存率は、胃がんで96.7%、大腸がんで97.3%とのデータが出ています。早めに見つかれば早めに治療ができるので、症状がないうちに受診することが大切です。

斉藤:がん検診って怖いとか、お金がかかるんじゃないかみたいなイメージもあるけど、気づかないことの方が怖いし、早く見つかった方が結果的に治療費も安く済みますもんね。

症状が出てからではもう遅い


矢野:
松隈さんは今回どんな検査を受けたんですか?

松隈:基本的な健診と、レントゲンや心電図、大腸内視鏡検査や胃カメラもやりました。

別府:松隈さんの検査結果を見させていただいたのですが、血圧も問題ないですし、思ったよりも悪くないなという印象でした。

松隈:思ったよりも(笑)?

矢野:松隈さんはロックな人だから、不摂生していそうなイメージが。

斉藤:病院なんて行かないぜ!的な。でも松隈さん、タバコも吸わないしな。

別府:ただ、お酒は結構飲まれているのでは?γ-GTPの数値と、血糖値も高めですね。体質にもよりますが、飲酒や食生活が影響しているのではないかと思います。

矢野:松隈さん、夜中にラーメン食べるタイプなんだよな。

松隈:そうそう。夜中に食べちゃうんですよね。お酒を飲んでいる時にもかなり食べちゃいます。

斉藤:松隈さんは週に何日くらいお酒を飲むんですか?

松隈:毎日です。健診の前日って飲んじゃいけないじゃないですか。だから少し健康になるんですよ(笑)。1日だけなんですけど。

斉藤:わかる。そういえば同じ事務所のゴリけんさんは、健診の前だけダイエットするんですよ。なんか知らんけど、そこだけ痩せて挑みたいみたいな。全く意味ないですよね。

矢野:健康な数値がほしいんですよね。ちなみに僕はお酒を飲まないのに尿酸値が高いんですよ。先生、正常な数値ってどのくらいでしたっけ?

別府:2.1〜6.9が正常ですね。

矢野:僕、9だったんですよ。いつ痛風を発症してもおかしくないっていう。だから僕はお医者さんに行って、尿酸値を下げる薬を飲んでいます。

別府:今回の結果で一番問題なのはコレステロールですね。かなり高いです。コレステロール値が高いと、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞など、血管が詰まる病気になりやすいリスクがあります。まずはお酒を控えていただきつつ、矢野さんのように専門医への受診をおすすめします。

斉藤:でも、これでわかってよかったよね。血管が詰まってからじゃ遅いですもんね。

松隈:本当にそうですね。紹介状もついていたので、ちゃんと受診します!

性別や年齢によって、かかりやすいがんは違う


矢野:
松隈さんの検査結果もわかったところで、がんについて先生に色々と聞いていきたいと思います。健診は毎年受けた方がいいということでしたが、がん検診も毎年受けた方がいいんですか?

別府:福岡市で受けられるがん検診には、それぞれ受診間隔が定められています。毎年受けた方がいいのは大腸がん・肺がんで、2年に1回が子宮頸がん・乳がん、胃がんに関しては内視鏡検査であれば2年に1回でいいのですが、バリウムによる胃透視だと少し精度が下がるので、毎年受けていただいた方がいいですね。

矢野:何歳で受けた方がいいとかもあるんですか?

別府:受診の対象年齢もそれぞれ定められていて、基本的には40・50歳以上が多いですが、ウイルス感染が原因の子宮頸がんに関しては、若い世代でもかかるリスクがあるので、20歳以上が対象になっています。

福岡市で受けられる「がん検診」等

斉藤:そもそもがんって何なんですか?どこから来るのかもわからない。

別府:がんは遺伝子が変異して起こる病気です。人間の持つ自己修復機能により傷ついた遺伝子を修復するのですが、いろいろな理由でその効果が得られずにがん細胞が増えて、かたまりになったものががんです。

斉藤:知らなかった。日本人ががんにかかる確率ってどれくらいなんですか?

別府:一生のうち二人に一人はがんにかかると言われています。死亡原因の第1位にもなっていて、三人に一人ががんで亡くなっています。

松隈:すごい数字ですね。性別によってかかりやすいがんとかもあるんですか?

別府:そうですね。男性のがん羅患数の順位は、3位が胃がん、2位が大腸がん、1位が前立腺がんです。

斉藤:前立腺って何ですか?

別府:前立腺液という精液の一部を作る臓器で、膀胱の下にあって、尿道をグルッと取り囲んでいます。もちろん男性にしかありません。

斉藤:3位の胃がんはピロリ菌が原因になることが多いんですよね?昔、井戸水とかにもいた菌で、高齢者ほど感染率が高いって聞きました。僕も以前検査で見つかって、除菌したんですよ。

別府:主に幼児期に、水や食べ物を通じて経口感染する菌なのですが、昔に比べて衛生環境がよくなったので、感染する機会は減っていますね。斉藤さんのようにピロリ菌を除菌する人が増えていることもあり、胃がんの数はどんどん減っています。

松隈:僕はピロリ菌の検査は受けたことがないですね。

矢野:僕ら40代はちょうど今の高齢者の子ども世代に当たるから、検査した方がいいみたいですよ。ギリギリ、ピロリ世代だから。
(注:福岡市では35歳と40歳の方にピロリ菌検査の助成を行っています。)

斉藤:虫歯とかと同じで、親に愛されていっぱいチューされていたら、移っているかもしれないですよね。その点矢野は安心です。虫歯になっていないから、親の愛情を受けていないんじゃないかっていう。

矢野:僕、35歳くらいまで歯医者に行ったことがなかったんですよ。だから親がチューしていなかったんだろうなって。っていうのは冗談ですけど、がん検診と併せて受けておきたい検査ですよね。そして先生、女性の順位はどうですか?

別府:女性のがん羅患数の順位は、3位が肺がん、2位が大腸がん、1位が乳がんです。

矢野:男性の方がタバコを吸う人が多いイメージですが、女性の3位に肺がんが入るんですね。

別府:タバコが原因の肺がんと、そうでない肺がんがあるので、タバコを吸わない方でもかかるリスクはあります。肺がんは基本的にレントゲンで検査をするのですが、ある程度大きくならないと見つかりにくいのが怖いところでもあります。それに比べ、乳がんはしこりがあれば自分で触って見つけることができます。

松隈:しこりがあったらもう遅いというわけではないんですか?

別府:ほとんどのがんは症状がある場合にはすでに進行していることが多いのですが、乳がんはしこりがあっても初期の場合もあるので、自己検診もとても重要です。

「いつか」ではなく「今」行こう!


別府:
男性・女性どちらの上位にも入っている大腸がんは、40代後半から死亡率が上がるというデータが出ていますし、その他のがんも中年以降からリスクが高まるものが多いです。一方子宮頸がんの羅患数は20代後半から増加するなど、若いから大丈夫というものでもありません。毎年の健診はもちろんのこと、各がん検診の対象年齢になったら必ず一度受診してください。

矢野:面倒だなとか、私は大丈夫と思って何もしないままだと、余計にややこしくなるっていうことがよくわかりましたね。

斉藤:安心のために検査するのも大事なのかも。

松隈:そうですね。僕も今回健診とがん検診を受診してみて、こうして色々とお話も伺って、改めて必要性がわかりました。周りの人にもどんどん勧めていきたいですね。

矢野:でも、これだけ大事だよって言われても、やっぱり行かないっていう人が多いと思うんですよ。だからもう、今スケジュールに入れちゃう。まずは予約することが大事ですよね。

斉藤:いつだって今が最速。遅いなんてことはないよね。早期発見のために、今すぐ健診・がん検診へ行こう!


プロフィール

松隈ケンタ
音楽プロデューサー、作詞/作曲/編曲家。久留米出身。2005年メジャーデビュー。バンド活動休止後にプロデューサーとして活動開始。女性グループ「BiSH」のサウンドプロデュース他、柴咲コウ、香取慎吾等に楽曲を提供。2020年には13年ぶりに自身のバンドBuzz72+を復活。2023年のホークス球団創設85周年・ドーム開業30周年記念ソングを担当している。
 
パラシュート部隊
斉藤優と矢野ペペによる1999年結成のお笑いコンビ。ワタナベエンターテインメント所属。TNC『ゴリパラ見聞録』『ももち浜ストア』をはじめ、多数の番組に出演中。


COLUMN

●けんしんナビで簡単検索!
市の施設等で行う健診については、「けんしんナビ」で24時間いつでも簡単に予約が出来ます。また、医療機関の検索もできます。
「けんしんナビ」はこちら

●よかドック
福岡市の国民健康保険加入者(40~74歳)を対象にした特定健診「よかドック」では、血液検査や心電図検査など、約1万円分の検査が500円で受けられます。また、託児付きや休日・夜間の健診、外出ついでに受けられる「よりみち健診」も実施しています。
よかドックについてはこちら

●よかドック30
市内に住み、職場等で同党の健康診査を受ける機会がない30-39歳の人が対象です。よかドックから心電図を除いた項目の健診が受けられます。受診者は、健康づくりサポートセンターで無料の個別健康相談を受けることができます。
※各区保健福祉センターでは実施していません。
よかドック30についてはこちら

●5大がん検診
死亡者数が多く、検診の効果が科学的に証明されている5つのがん(胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がん)について、国では検診を勧めています。
福岡市にお住まいで、職場等で受診機会のない方は、5大がんの検査を約8割引きで受けることができます。
例)福岡市在住50歳女性・主婦 保健福祉センターで受けた場合
乳がん(マンモグラフィ・1方向)・・・1000円
肺がん(胸部X線検査)・・・500円
胃がん(バリウムによる胃透視)・・・600円
大腸がん(便潜血検査)・・・500円
子宮頸がん(細胞診)・・・400円
Total・・・3000円
※特定健診と合わせて3500円

●精検
健診で要精密検査=精検の結果が出たら、病院で精密検査(保険適用可能)を受け、異常の原因、治療の有無を確認します。精検が必要な人は今まさに、健康状態に心配があるということ。もし異常があれば、早期発見で治すことが大切です。

●Q&A
Q:検診を受けるまでの流れを教えて
A:
【ステップ1】受診項目を決める
    各種がん検診
    よかドック
    よかドック30

【ステップ2】受診場所を決める
      実施医療機関
      健康づくりサポートセンター
      市の施設等

【ステップ3】実施場所に直接予約する
      ご予約の際は「福岡市のがん検診(よかドック)を受けたい」とお伝えください。

【ステップ4】受診当日
      料金と必要書類(健康保険証など)をご持参ください。
      よかドックは受診券が必要です。