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【#100年恋をしよう -仕事編-】大切な思いを花で伝えるお手伝いがしたい

私たちが向かう人生100年時代。
自分らしく暮らす秘訣は、
いつでもいつまでも、恋するように何かに夢中になること。
この福岡のまちでイキイキ過ごす人々へのインタビューを通して、自分だけの人生100年を見つけるヒントをお届けする企画「♯100年恋をしよう」
第4弾は「仕事編」です。

一つの会社で働き続ける人、
転職してキャリアアップを目指す人、
定年退職後に新しい仕事を始める人。

仕事の選び方や働き方は人それぞれですが、天職を見つけることはそう簡単ではありません。

大好きな花に囲まれながら、花屋で30年働く森 志津枝さんは、現在64歳。仕事が生きがいだと語る彼女に、60代になっても働き続ける理由について伺いました。

花に囲まれているだけで幸せな気分になる


-現在の花屋で30年働かれている森さんですが、以前は何のお仕事をされていましたか?

一般企業のOLです。高校を卒業して石油会社に就職して5年間働き、結婚を機に退職しました。

-その後、花屋で働き始めたきっかけは何ですか?

結婚してからは専業主婦として二人の娘の子育てに追われていたのですが、下の子が小学校に上がるタイミングでまた働きたいと思うようになったんです。私の妹の嫁ぎ先が花屋で、勤務時間など融通を利かせてもらえると聞いたので、両親が子供達の面倒を見てくれている時間を使って、その店でパートを始めることにしました。

-妹さんのつながりもあったんですね。森さん自身はもともと花に興味はあったのでしょうか?

はい、昔から大好きですね。母も好きだったので、その影響もあると思います。池坊や小原流など、生け花に触れる機会もありましたし、身近にお花がある生活を送ってきました。今もお店でお花に囲まれているだけで幸せです。

-今、働く上で難しく感じていることはありますか?

仕事と家庭との両立ですね。若い頃は両親に甘えられる部分が大きかったですが、今は父も亡くなり、母も86歳になったので、昔と同じようにはいきません。もちろん仕事は楽しいですが、やっぱり家族を守らないといけないし、家事もあるので、母がデイサービスに行っている間に働くなど、うまくコントロールするようにしています。ただ、今は娘たち家族が近くに住んでいるので、どうしても手が回らない時には色々と助けてくれます。そういった意味では、昔も今もとても恵まれた環境で働かせてもらえていると思います。

-働いている中で悩んだりすることもありますよね。どのように気分転換していますか?

何か悩んだり、落ち込むことがあると、それを家庭に持ち込まないように、夫に話を聞いてもらうことでバランスを保つようにしています。夫は私の性格をわかっているので、ちゃんと吐き出せるように親身になって聞いてくれます。「ここは頑張ったんじゃない?」とか、「相手がこう受け取れなかったのは残念だね」と言ってくれるんです。そばにいる人に認めてもらえるだけで、ずいぶん心が軽くなりますよね。これは昔からずっと続いている習慣なので、本当に感謝しています。

花を贈ることで生まれる笑顔が仕事のやりがい


-現在の森さんの仕事内容を教えてください。

福岡県内だけでなく全国からもたくさん注文が入るのですが、私が窓口となって、どんな用途か、誰のためのお花か、どんな色がいいかなどの要望をお客様から聞き出し、社内のデザイナーに伝えるのが主な仕事です。

-前職での仕事内容とは異なると思いますが、働き始めた当初不安はなかったですか?

もちろんありました。お客様とお話しする時に、何を重点的に聞かなければいけないかのポイントがわからず、最初は手探りでしたが、だんだん慣れていくと要望を引き出せるようになっていきました。条件よりもまずは、どうしてその花を贈りたいのかというお客様の気持ちを理解することが大切だと思います。また、ちょっとしたことですが、電話応対の時は特に、お客様が話しやすいように優しいトーンで会話するよう心がけています。高校時代は放送部だったので、もしかしたらその経験を生かせているのかもしれません。

-森さんにとって、花の魅力は何ですか?

色といい、形といい、香りといい、見れば見るほど引き込まれるところが魅力です。最近は新しいお花もたくさん出てきているので、どうしてこんな色になるんだろう、どうしてこんな形になるんだろうと、出会うたびにときめきます。私にとっての最高の癒しですね。

-では、仕事のやりがいはどんなところに感じますか?

お花を通じて、あげる人ともらう人両方の温かい気持ちに触れられることが嬉しいです。感謝やお祝いの気持ちをお花に託してお届けすることで、受け取った人が笑顔になることにとてもやりがいを感じます。私も幸せをおすそわけしてもらっている気分になりますね。

家庭とうまく両立しながら働き続けたい


-コロナ禍の外出自粛などで、花に対する需要は変わったと感じますか?

楽屋花などの芸能関係やコンサート会場のお花の注文は減りましたが、家庭でお花を楽しむ人は増えたと思います。また、親や友達に会えない代わりにお花をプレゼントしたいという注文も増えましたね。色々と困難なことが続いていますが、気持ちを癒したり感謝を伝えたりと、お花が人を幸せにするものであることに変わりはないので、それは素敵なことだと思います。

-60代で働き続けるには体調管理も重要ですが、健康面で気をつけていることはありますか?

できるだけ体にいい食事をするように心がけています。同居している母や夫はもちろん、隣に住んでいる娘夫婦や孫ともごはんを食べるので、みんなが健康でいられるように、食材選びには気をつけています。

-それでは最後に、今後どのように年を重ねていきたいですか?

今は週に3〜4日、朝10時から午後3時まで働いているのですが、このペースを保って働き続けたいと思っています。大変なこともありますが、仕事をすることで毎日刺激や癒しをもらえますし、人生が充実します。私と同じ年代で働こうか迷っている人は、まず始めてみることをおすすめしますね。

(撮影場所)
美松花園
福岡県福岡市中央区赤坂1−2−1 シャンボール赤坂1F
https://mimathukaen.hanatown.net/


COLUMN

ますます広がるシニア世代の活躍の場

人生100年時代を迎え、社会で活躍するシニア世代が増えています。
地域活動やボランティア活動、趣味や健康づくりなど、様々な社会参加活動の中でも、特にシニア世代の仕事への意欲の高さが注目されています。
福岡市では、「自分の技術や知識を社会で生かしたい」「健康のために働きたい」などのシニア世代の仕事に対する高い意識を大切にする環境づくりや、就業支援を行なっています(セミナー*¹や専門相談員による個別就業相談、企業での就業体験*²など)。
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